もちもちのあと

おもちもちもちのつづき




「ねえ今日の夕飯、何?」
「焼き魚と、おひたしと豚汁と…」
「ふふ、やっぱり」
「?」
「兄さん朝から色々やってたから豪華かなって」
「ひさしぶりにゆっくり食べるだろ」
「二人でね」
「……ん」
「それでデザート代わりに食べたくなったんだ」
「お前…よくわかるな」
「兄さんのことだから」
「いいな」
「え?」
「俺もお前が考えてること知りたい」
「じゃあ教えてあげようか」
「それじゃ意味ないだろ」
「知りたいんじゃないの」
「そういうんじゃなくてだなー…よし、お兄さまがいま雪男が何考えてるか当ててやるっ」
「はいはい、どうぞ」
「信じてないだろ」
「絶対兄さんは答えられないよ」
「バカにしやがって…っ、かくごしろ!」
「楽しみだなあ兄さんが当ててくれるの」
「うむむむ…あっ、おなかすいた!」
「違う」
「ごはん食べたい」
「違う」
「…魚楽しみだな」
「それはそうなんだけど…ちょっとご飯から外れてみようよ」
「寒い!」
「うん、兄さんだよねそれは。僕コート着てるから寒くないよ」
「くっ…ヒントよこせ」
「ええー」
「いいだろー?」
「うーん…兄さんで言えばふわふわした感じかな」
「ふわふわ?」
「そう、ふわふわ」
「ふわふわ…」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……兄さん?顔赤いよ?」
「……」
「ねえ、判ったんだよね?」
「……わかんねえっ」
「じゃあ兄さんの負けだ」
「はあ!?なんでそうなるんだよ!」
「だって当てられないんでしょ、僕の勝ち」
「勝ち負けねえだろ」
「だって僕兄さんは答えられないって予告したし」
「答えられるわけねえだろ……!」
「全く兄さんはいつまでも初心で可愛いなあ」
「かわいいとか20過ぎの男に言うもんじゃねえ」
「兄さんには関係ないです」
「うーっ…」
「ねえ兄さん」
「なんだよ」
「好き」
「へ」
「大好き」
「え、ちょ」
「あい」
「言うなあああああああ!!!!」
「あはは、真っ赤」
「なるだろ…!」
「だから兄さんは可愛いんだよね」
「……」
「…あれ、兄さん?」
「……」
「ごめん、いじめすぎた」
「……ゆきお」
「はい」
「好き」
「!?」
「…さっきの答え」
「え?」
「せーかい?」
「……はい」
「へへ」
「反則だ」
「あにきをバカにするからだーっ」
「はいはい」
「はいは一回」
「はい、兄さん」
「ふふん」
「愛してる」
「!?」
「あ、丁度着いたね」


してやられてそうでしてやられない大人雪男。

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