にくまん

イメージ的には中学生

「……」
「どうしたの兄さん?」
「いや、なんでもないっ」
「ああ…肉まん食べたいの?」
「!?別に!食べたいわけじゃ…」
「僕食べたことないんだよね」
「そうなのか?」
「兄さんは?」
「ない」
「だよねえ」
「美味いって聞いたことある」
「僕も。ピザまんとかもあるんだっけ?」
「食べるなら最初は肉まんって決めてるけどな」
「何それ」
「代表的なのは肉まんなんだよ」
「そうなんだ」
「知らなかったのか?」
「兄さんほど食べ物には詳しくないからね」
「へえ!」
「なんでそんなニコニコしてんの」
「べっつにー、お前が知らないこと知ってたからって嬉しくねーし」
「嬉しいんだ」
「だから嬉しくないって」
「あっそ」
「何だよその目は」
「べっつにー?」
「マネすんな!」
「ふふ、してないよー」
「した!ぜってーした!」
「してないってば」
「……お前、可愛くなくなったよな」
「大人になったんだよ。それに、強くなった」
「よく言うよ、今でもどっかで転んで怪我して来る癖に」
「…でも泣かなくなったよ」
「それは確かに。なんか兄貴面出来なくてやなんだよなあ、背も抜かされたし」
「成長期ですから」
「俺たち双子だぜ」
「まあまあ、兄さんはちっちゃい方が良いよ」
「ちっちゃいゆーな」
「もうそろそろ七センチ差になるし」
「うげっ…お前どんだけでかいんだ…」
「どっちが兄さんか分からないねえ」
「わかる!ぜってーわかる!」
「さてどうでしょう」
「うぐ、やっぱり可愛くねえ!」
「大体可愛いって男の人に使う形容じゃないだろ。さて、そんな可愛くない弟から提案です」
「なんだ?」
「肉まん食べない?」
「まだ引きずってたのかよ」
「だって僕食べたことないんだもん」
「でもよ、帰ったら夕食だぜ?」
「だから半分こってことで」
「確かにそれならあんまりたまら…いや、駄目だ」
「なんで」
「所持金が30円です」
「…兄さんは小学生なの」
「お前と同じ中学生だよ」
「じゃあ僕が全額払うから食べよう」
「それは兄貴の意地が許さない!」
「双子なんだからそんなに変わらないのに」
「変わるんだよ、俺的には」
「ふうん?じゃあ僕食べるのやめよっと」
「なんでそうなるんだよ」
「兄さん食べないのに僕だけ食べるの悪いし」
「気にしないぜ?」
「僕が気になるの」
「兄貴うんぬんは気にならない癖に変な奴だな」
「それにね」
「うん?」
「兄さんと半分こして食べたかったから」
「うっ」
「食べたかったなあ」
「ううっ」
「兄さん食べてくれないんだもんなあ」
「うううっ」
「………」
「………」
「………」
「………わかったよ、お前に半分貰ってやる」
「やった!」
「でも!」
「ん?」
「そのうちぜってー俺も肉まん半分やるからな!覚悟しろ!」
「覚悟って…はいはい、しておくよ」
「偉そう」
「その気はないんだけどね。じゃ、買いに行こう」
「おう」
「美味しいかなあ」
「美味しいんじゃねえかな」
「楽しみだね」
「…そうだな」

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〜10.14 拍手たくさんありがとうございました!

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