すとらいきしたい


燐と雪男とシュラと

「………………」
「………おーい、雪男?」
「………………はぁ」
「お、生きてた」
「勝手に殺しかけないで下さい」
「だってお前、半日以上ボーッとしてんだもん、心配にもなるにゃー」
「一ヶ月、経つんです」
「は?」
「兄さんがバイト始めてから一ヶ月経つんです」
「ああ…うん、よく続いてるよな」
「…兄さん、僕のこと嫌いになったんでしょうか」
「どうしてそうなった」
「一ヶ月間何もしてないんですよ!」
「……いや……お?本当だ、あたし最近お前らに起こされてにゃーな」
「でしょう?手も繋いでないしキスもしてないし帰りも一緒じゃないしお風呂も別々だし夜も精々同じ布団で寝るくらいでせっく」
「いつもそこまでやってたのが驚きだよ、予想以上だよ」
「兄さんに触りたい兄さんが足りない兄さん兄さん兄さん…」
「獅郎はどこでお前の教育間違えたんだろうな、うん」
「…はっ」
「今度はどうした」
「兄さんが帰ってくる」
「いや、まだそんな時間じゃ…」
「ただいまー」
「まじかよ」
「兄さん!早かったね!」
「おうわっ」
「おかえりなさい、ちゅ」
「おい雪男、玄関だぞ…」
「いいじゃない、兄さん不足で僕死にそう」
「んー…ま、いっか」
「キスほしい」
「は!?」
「僕はしたのに兄さんがしないのは不公平だよ」
「うぐ、一回だけだから、な」
「うん」
「……ちゅ」
「顔真っ赤だね?」
「うるせっ…雪男は嬉しそう?」
「ずっと兄さん忙しくていちゃいちゃ出来なかったから」
「それは、わりぃ」
「じゃあご飯作ってる間こうしてていい?」
「しっ仕方ねーな!弟の頼みだからな!」
「…兄さんがしたくないならいい」
「別にしたくないわけじゃ…ぎゅってされるの好きだし…う、はず」
「なんでそんなに可愛いの?」
「雪男はなんでそんな事をサラっと言えるんだ」
「やだ?」
「やじゃ、ない…ほら、ご飯作らないと」
「ん、台所行こっか」

「つっこみが追いつかねえ」

[]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -