美味しいご飯と可愛い奥さん
職員会議が終わると、すぐに雪男は荷物を纏め始めた。
今晩は任務もないし、明日は一ヶ月ぶりに丸一日休みで、やるべき事はない。つまり、あとは家に帰って兄にただいまと言うだけでいい。薬学の授業の後に燐には早く帰ると伝えているからきっと腕によりをかけて美味しい夕飯を用意してくれているだろう。考えただけで頬が緩む。食べ終わった後は洗い物を一緒に片付けよう。それから、勉強を少し見てあげて、二人でお風呂に入って…ああ、クロには散歩に出て貰わないといけないな。
荷物を早々と鞄に詰め、席を立つ。
「お疲れ様でした、先に上がらせていただきます」
「お疲れー」
一礼して職員室を後にする雪男。その後ろ姿がドアの向こうに消えていくのを見届けて、シュラがぼそっと一言呟いた。
「新婚かよ」
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