ゆるしません


カチ、カチ、カチ。
食堂の時計の針の音が響く。
テーブルに向かい合わせに座る燐と雪男。
しばらく二人の間には沈黙があったが、ボーン、と鐘が打ったのを合図に雪男は口を開いた。

「どういうこと?」
「……お前が聞いた通りだよ」
「僕、駄目だって言っておいたよね?なんで?」
「あのなあ!今時みんなやってるんだぞ?」
「だからと言って兄さんがやっていい訳じゃないし、必要な時は僕に言って、ってしてたじゃない」
「弟に金せびる兄とかみっともないだろ!」
「まず僕たち恋人なんだから関係ない」
「こ…っ!?いや、騙されねえぞ!」
「チッ」
「恋人の関係を利用するとか酷い」
「…ごめん」
「お詫びとして認め」
「るわけないだろ、話が別だ」
「なんでだよ!バイトだぞ!」
「僕だってものによっては許可したよ!」
「ファミレスのどこがいけないんだ?」
「兄さん判ってるの、ウェイトレスの制服って足の露出激しいんだよ、アパート内でも僕たちの部屋でしか許してないのにまして不特定多数の目に晒してさらに笑顔で接客ってなんてえろげ?いや喜んで僕はやるけどね僕以外にはさせな」
「厨房担当に決まってるだろ」
「え」



(雪男がクラスの子に昨日ファミレスでバイトしてるお兄さん見たよ的な事を言われた、という話)


「決着ついたみたいね」
「よかった…」
「え、よかったん?若さんかなり危な」
「これでご飯食べられる!」
「杜山さんそっち!?」
「当たり前でしょお腹すいてるのよ」

[]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -