はっぴーうえでぃんぐ!
「ゆきお、おれのことすきか?」
「うん!にいさんは?」
「だいすきだ!」
「ふふ」
「へへー」
「あ、じゃあぼくたちけっこんしないとね」
「けっこん?」
「すきなひととずっといっしょにいるやくそくをすることなんだって」
「ずっといっしょ…」
「うん」
「おれ、ゆきおとけっこんする!」
「ぼくもにいさんとけっこんする」
「で、けっこんてなにすればいいんだ?」
「んー…、しろいふくをきてちゅーすればいいんじゃないかな」
「ちゅーならいつもしてるな」
「そうだね」
「しろいふくってどんなのだ?」
「なんだろ?」
「ゆきおしらないの?」
「うん」
「そっかー…」
「あ!ごほんにかいてあったかもしれない」
「それだ!」
ぱたぱた
「あった」
「う…う?」
「うえでぃんぐだよ、にいさん」
「うえでんぐ?なんかひらひらしてるな」
「きれいだね」
「うん、ゆきおににあいそうだ」
「え?」
「え?」
「にいさんがきるんだよ?」
「ゆきおがきるんだろ?」
「なんで、にいさんのほうがぜったいにあう!」
「ゆきおがきたほうがぜったいかわいい!」
「にいさんのほうがかわいい!」
「いや、ゆきおだ!」
「にいさんだよ!」
「ゆきお!」
「にいさん!」
「………」
「………」
「………」
「………ふぇ、」
「わああなくなゆきお!」
「だってぼく、にいさんにきてほしいんだもん…」
「お、おれだって……う、に、にーちゃんだからな!おとうとのおねがいはかなえてやらないとな!」
「ほんと?」
「おう」
「にいさん、ありがとう!だいすき!」
「おれもだいすきだ」
「あのねにいさん」
「ん?」
「ぼくと、けっこんしてください」
「うん、けっこんしよう」
***
「…だって。兄さん、いい加減式挙げない?」
「あのジジイなんつーもん撮ってやがる…!」
「兄さんのウエディングドレス、早く見たいな」
「お前は黙れ」
「…僕と一緒に居たくないんだ」
「ち、ちげーし!」
「ふふ、真っ赤」
「昔はあんな可愛かったのになあ」
「仕方ないよ、兄さんを守るためだもの」
「あ、くそ、言い返せねえ」
「言い返さなくていいよ。…あ、兄さん」
「なんだ?」
「燐、僕のお嫁さんになって下さい」
「ん、なっ!急にぷ、ぷぷろぽーずみたいなことを言うなっ!」
「みたいじゃなくて、プロポーズなんだけど」
「うぐ」
「ね、駄目?」
「……雪男」
「なあに?」
「雪男のお嫁さんにしてください」
「…え、」
ちゅ
「へっ、兄ちゃんなめうわっ!急に抱き着くなよ痛い…」
「可愛すぎるよ兄さん!」
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