77

久しぶりに会って、ほんの少しの時間しか一緒にいなくて、尚輝が俺らのことを見かけたのは一瞬に近いことのはずなのに。
(バレた、)
頭の中を一瞬そんな言葉が走って、それを意識的にかき消した。
自覚はしているし、だからこそかもしれないが抵抗も今はない。
けれど。
認めたくない意識がずっと抵抗している。

「じゃあなんで、」

(なんて言おう)
まるっきり言葉が出てこない。アイツが原因ではない。尚輝も嫌いなわけではない。男同士の恋愛だって、ここで否定してしまえば尚輝のさっきの言葉を認めてしまうみたいで。
(なんて言えば……、)
尚輝の視線が痛かった。
<<>>

<<Retune?
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -