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手は俺の手と一緒に、足のラインを撫でるように上がってくる。
太ももの内側へと上り続ける軌道は、だが途中で分かりやすい意思表示をしてきた。今まで以上に危機を感じて、掴んでいる手に力を入れた。抵抗してくる腕の筋肉がはっきりと分かる。なのに指先は適度に力が抜かれていて、変なところに経験差を感じてしまった。

「、愛……、」

「離せ、っ!」

唇同士が離れた瞬間、言葉が重なった。
際どいところで手は止まったままだ。力の差は尚輝の方が強いのは調べなくても分かるのに、そこから動かない。
今だと思って力を入れるが、体は動かない。
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