何も変わらない。
だけど、寄れだした表面の水面下では、着実に何かが変わりだしていた。

俺だけが知ってるアイツ。
アイツだけが知ってる俺。

俺らはふらりとあのスーパーの屋上へ行っては、二人で他愛ない話をした。
約束なんてしてなかったから、アイツが来ない日もあった。そんな日は、一人で町を見下ろす。小さな人間達を見ては、変わりない毎日を楽しんでいた。でもどこか、心の奥底で楽しみきれない。

そんな時は携帯を開いてアイツの名前を電話帳から呼び出す。

< 暇 >

たった一文字だけのシンプルな文面のまま、送信ボタンを押した。
1分と待たずに手中から音楽が鳴りだす。アイツが好きなエミネム。知らない曲名だ。

< 俺も >

< いつものとこいる >
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