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「おー! ミノルひっさ!」

「うぉーっす! ひっさ!」

知らない声がミノルを呼んだ。一瞬立ち止まって、ノラとも挨拶を交わす。
ノラの背中に隠れて、ミノルは誰かに抱きついていた。

(仲良さそー、)

口の周りに薄く残るチョコを舌先で舐めながら、そんな姿を見ていた。

メンズ雑誌から出てきたみたいなサーフ系ファッションの3人。仲良さげな雰囲気は、見る限り彼らの誰とも知り合いなようだった。

「つか尚輝まじひさいな!」

来るなら言っとけよ! 鼓膜を揺らしたセリフは、今の心情と同じだった。
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テーマ「人外ファンタジー」
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