53

差し出されたバナナを口に入れる。
フルーツとチョコレートの甘みがほんのり広がって、ふわっと鼻から抜ける。

「……うまい、」

思わず言葉が飛び出した。
尚輝は満足そうな顔をして、バナナを食べた。

「うん、ほのかに愛の」

言わせねぇ。口を動かし続けていた尚輝の背中を、位置を狙って叩く。
むせやがれ、こんにゃろう。

「ホモ丸出しにすんなよ、尚輝!」

「女寄ってこねぇぞ?」

ノラの振り向きに後ろからマイの声も加わって、笑い声が響いた。
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