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尚輝と半分こで食べたかき氷はようやっと最後の一口になって、ほとんど溶けて小さくなったその一口をかき集めた。

「ほら、愛、」

あーん、と口を開けて、もうずいぶんと麻痺した舌の上で体を小さくしていき交じり合っていい感じに甘さの薄まったシロップを喉に流し込む。

「やぁ、と、終わったな!」

うまいこと言葉が発せられなくて、最後の「な」は「にゃ」と似た発音になった。
それなのに尚輝は変わらずで。彼の舌は麻痺しないんだろうか?

なんだか悔しい。

「なーにしてんだよ、」

歯で舌に刺激を与えていたら、尚輝に笑われた。
こんにゃろう、お前も舌麻痺しやがれ!

「舌、麻痺、」

べろ、と舌を出したら「赤い!」と更に笑われた。こんにゃろう。
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