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「あ、マツこれ食べるー?」

でこぼこに飾りつけられた長い爪から伸びる、赤と白のストライプのストロースプーンの先に乗った氷の塊を差し出した。

「食べる!」

不意打ちに食いついたマツの口に、それを入れる。
……意外と、うまくいくんじゃないだろうか。
尚輝も同じことを思ったらしい。俺らは意味深な笑みを交わした。

「あっくん、尚輝、久しぶりー!」

ミカの後ろから出てきたのはショートカットをモカブラウンメッシュに染めたアリサだった。アリサは俺と知り合った頃から某歌姫に似ている。本人もそれを自覚しているようで、メイクで更に似せようとしていた。

「おー……」

俺はどうも、彼女が苦手だ。
なんとなく、苦手だ。

「ねぇねっ、ミカ達射的行ってくるからちょっと待っててー!」

少し向こうにある射的屋台に、ミカとマツは2人で言った。
もしかして、もう?
尚輝も考えるように2人の後ろ姿を見ていた。
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