▼2 アイツを初めて見たのは、高2になってからだった。教室の前で、クラスの女の子と話している姿。転校してきたらしい。 転校初日だというのにも関わらず、髪の毛は明るい茶色だし、制服は派手に着崩されている。どう見ても俺とは種族が違った。 もしかして同じクラス? と思った予想は、最悪なことに当たってしまった。 HRでアイツの姿を見かけたとき、俺は落胆した。 正直こんな奴とやっていける自信はない。俺の高校生活は、きっといじめられるに違いない。そう思った。 元々この学校に友達は多かったらしく、しかも不幸なことに俺の親友とも友達だったようだ。すぐにクラスには溶け込んだ。 むしろ、俺の方がクラスの中心から薄くなったような気がした。あんなにまとまっていたクラスが、アイツのせいで亀裂が入ったようにも見えた。 見た目通りヤンキーなアイツは、それに気付かない。きっと、元からこんなんだと思っているんだ。 更に不幸なことに、俺の周りにいた友達は、アイツとだんだん仲良くなっていく。 アイツが俺と仲良くしたがっているのも分かった。だが、ことごとく拒絶してやった。 関わらないのが一番だ。 <<Retune? |