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《あっくん、祭り行くぅ?》

相手は地元のミカと言う女友達だった。
相変わらず甘ったるい声。男ウケがいいと言って、始めたのは確か中3のときで。
今では板についていて、周りも違和感なく喋っている。

「行く。マツたちに聞いてない?」

《マツらに聞く前にあっくんに聞こーと思ってぇー》

「あ、そう。」

《あっくん行くってさぁー》

受話器を少し離して、他の人喋っているようだ。女の子独特の高い声が聞こえる。

《あ、ミカたちも行くからぁ、マツとかに言っといてね? かわいい子連れてくからっ!》

《プー、プー、プー……》

電話は一方的に切れた。
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