25

「俺、……帰る」

自分でも分かるくらいに、絞り出した声は震えていた。まだ半分も残っているタバコの火を、むりやり消し去った手も。

情けない。

全身が、震えていた。
アイツにはバレたくないだなんて、強がって小刻みに震える膝を動かす。

「……なあっ、」

背中から聞こえた声に、足を止めた。
早くしてくれ。
膝が笑ってもう折れそうなんだ。
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