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あれからアイツは、夏休みに入るほんの少し前まで学校に来なかった。日数にして、約一ヶ月。謹慎とは聞いていたが、本人に聞くまで詳しくは知らなかった。
「あのクソったれ、ナイフ出しやがってさ、」
一ヶ月弱ぶりに姿を見た一言目が、それだった。
「んでビビって思わず殴ったわけ」
けらけら笑いながら、まるでマンガの一部始終でも語るみたいに、おかしそうに。
「学校にバレるなんて思ってなかったし!しかも、まさかの無期停!」
梅雨明けすぐの、雨の降らないクソ暑い日だった。
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