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だからこそ、俺もこうして尚輝の傍にいて、体を預けることができる。
セックスしたいだけなら、そこに愛情がなくていいなら、付き合う必要なんてない。セックスフレンドという言葉があるように、体だけの付き合いだってできるわけだ。
尚輝はそうじゃない。セックスの前に愛情があるから、俺がいるから、体を繋げないまま"恋人"でいることができる。
尚輝から俺に対して"愛情"があると痛いほど分かる。俺から尚輝に対しての感情はでも、"愛情"かと問われるとはっきりと断言はまだできない。
ただ、尚輝の傍は心地いい。"愛情"でないとしても、それに近いものは確実にあるはずだ。

「尚輝、」

尚輝の触れたところが、一つ一つ残されていく感触が、

「ん?」

「熱い。」

リモコンに表示されている温度は18度。外の温度は39度。
俺の体温は、多分、36.2度。平熱。

「アイス買ってきて、」

きっと尚輝も変わらない。額にキスして冗談だと笑って言った。
尚輝の上から退いて、スイングするクーラーの前に寝転がった。だって熱いんだから。
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