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尚輝は舌打ち。その選択は間違いない。俺だってしてたと思う。

「……っ、ぶ」

ワンテンポもツーテンポも遅れて、爆笑。何が面白かったのかなんて、自分でも分からないけど。

「笑うなよ、」

投身自殺のアイスを丁寧にティッシュで拾い上げながら、顔を上げた。
その顔がまた情けなくて。更に笑い声を大きくした。

「ごめんごめん、」

謝ろうにも、腹から漏れる笑いに邪魔されてうまく言えない。どうやらツボに入ったらしい。

「思ってないだろ」

「思ってるし」

「ほんとかよ」

「ほんとだって」

アイスはティッシュに絡むように包まれてごみ箱にシュートされた。
尚輝は少年誌に目を向けた。

どれだけ部屋の温度を下げたところで、アイスにはまだ暑いらしい。ゆっくり形を変えては汗が流れ落ちようとしていた。
慌てて噛みついて、それを阻止する。
尚輝とは違った形の最終形態に入った俺のアイス。
(どうやって食おう)
迷った挙げ句、少しずらして先端から丸ごと頬張ってやった。

「愛、……わざと?」

「ん?」

金髪の忍者がこちらにピースを向けている。その向こうで金髪のギャル男が僅かに頬を赤めてこっちを見ていた。
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