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予想していた通り、尚輝は残りの宿題を1日かからずに仕上げてしまった。
全日制の高校に通う尚輝は、中学時代と変わらず9月頭から新学期が始まる。それまで一週間を切った。

俺たちは特別何をするわけでもなく、ただ一緒にいて、一緒に笑った。恋人というよりは、やっぱり友達の延長線のように思えた。
夏の熱帯夜、クーラー入れっぱなしにしたまま何をするわけでもなく一緒に寝たり、定番のゲームをしたり、夜の公園をバカみたいに走り回ったり。
"友達"と"恋人"との差が分からないまま、尚輝との毎日を過ごした。

「今日泊まるな、」

「ん」

夏休み最後の日。新学期が始まる前日。
18度まで下げたクーラーの下、タンクトップ1枚でアイスを頬張っていた。炎天下を原チャで2ケして走り回った帰りに買った淡い水色のアイス。それくらいでちょうど。もしかしたらまだ暑いかもしれない。

「明日だっけ、学校」

「ん」

尚輝はアイスを食べるのに夢中だ。棒から落ちそうなアイスを、なんとかバランスを取りながら口に入れようとしている。
(あ、)
その甲斐虚しく、フローリングの上に着地した。見事な自殺だ。
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