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頭の後ろで降参を叫ぶ声。指から力を抜けば背中から圧力が退いた。

「せっかく宿題ないのに、なんでしなきゃなんないんだよ」

体を横に倒せば、間近に困った表情の顔があって。

「恋人の宿題くらい手伝ってくれたって損はないだろー、」

されるがままに腕の中。
この一週間、一番多く聞いているかもしれない単語。"恋人"だとか"彼氏"。友達の延長上ではないと改めて実感させられる。付き合っているんだと。

「自分でやんなきゃ意味ないだろ、」

頑張れよ。あまりに近すぎる顔に向かっては言えなくて、熱の伝わる胸に呟いた。
そして事ある毎に返ってくる返事は決まっていて。

「愛がキスしてくれたら頑張れる」

「ばーか、」

俺の返事もだいたい、決まっている。
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