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手元が暗くなったと思ったら、骨が軋む音と息苦しさが同時に背中から襲ってきた。

「……重い」

「手伝って?」

クーラーの効いてない部屋なら、殴ってでも退かせていたかもしれない。触れ合った部分からじんわりと熱が伝わってくる。

「やー、」

我慢できる範囲の重みである以上、両手はまだマンガを探し続けている。

「なーんで」

思わず体が跳ねた。耳に生暖かな感触が続く。ちくしょうめ。
右手でその髪を引っ張った。少し強めに。
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