▼逃亡 ……いない。 「アレ、アイツいないじゃん。愛想尽かしたんじゃねーの?」 背中から抱きつくみたいに言われたって、そんなの一番に俺が気付いた事だっての! しかも愛想尽かされるワケないし。……どんな自信だ、俺。 「そっ、そんな事ねーよ!」 ヤベ、どもった。 「きっとすぐ戻ってくるって!」 笑ってみせるけど、きっと顔引きつってる。 心の中じゃ、本気で焦ってたりする。 なんてったって、俺の宝物だったんだから。 「お前、この前も殴ってたろ?多分そのせいだって。」 人事だと思いやがってコンチクショウ! 「うっせ、愛情表現だ。」 ムカつくから一発殴る。 「これも?」 「バーカ、差がありすぎんだよ。」 「照れちゃって、可愛いなぁ」 うっぜぇ!! キモいからほっぺつつくな! 「ま、その内戻ってくるって。」 「当たり前だろ!俺のなんだから!」 あー、でもホントどこ行ったんだろアイツ。 俺のアヒルストラップ。 <<Retune? |