▼3 「あんたのせいだからね!」 理不尽な俺様の相手をしただけあって、言うことも理不尽だ。 (理不尽すぎるだろ。) 高い怒声と、左頬に走る痛みを置き土産に、彼女は去っていった。 俺は悪くないぞ。断じて。後々冷静になった彼女が分かってくれることを願って、心の中で呟いた。 「……お前のせいだろ、どう考えても」 引かない痛みを左手さすって、ため息を一つ。 右手にできるだけ力を込めて、平手。 「ッて……、悪かったよ、」 男の俺の力だ。倍以上のダメージを与えれたはず。 でもそれ以上に、ダメージを受けたのは俺で。 「それ、何回目か覚えてる?」 昨日も、一昨日も、その前も、その前の前にも。毎日、毎日、毎日。 同じ言葉を聞いた気がする。どうせまた、明日も違う女の声が響くんだ。 「いい加減、聞き飽きたよ。」 <<Retune? |