「あんたのせいだからね!」

理不尽な俺様の相手をしただけあって、言うことも理不尽だ。

(理不尽すぎるだろ。)

高い怒声と、左頬に走る痛みを置き土産に、彼女は去っていった。
俺は悪くないぞ。断じて。後々冷静になった彼女が分かってくれることを願って、心の中で呟いた。

「……お前のせいだろ、どう考えても」

引かない痛みを左手さすって、ため息を一つ。
右手にできるだけ力を込めて、平手。

「ッて……、悪かったよ、」

男の俺の力だ。倍以上のダメージを与えれたはず。
でもそれ以上に、ダメージを受けたのは俺で。

「それ、何回目か覚えてる?」

昨日も、一昨日も、その前も、その前の前にも。毎日、毎日、毎日。
同じ言葉を聞いた気がする。どうせまた、明日も違う女の声が響くんだ。

「いい加減、聞き飽きたよ。」
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