夏休みの JKS

『あ、その日は無理』

『ついでにその翌日もねー。』

聞こえるはずのない声が右耳へダイレクトに入ってきて、思わず電源ボタンを押しかけた。
(なんで居るんだよ、)
心の声はきっと、モロに顔に出ているんだと思う。

「なんで、」

出した声はなんとかいつも通りだった。早口にもならなかった。……と、思う。

『その日はね、』

なんとなくは分かっていることだけど、

『シゲん家にお泊り』

やっぱりちゃんと聞くのは堪えるもので。「あっそ、」なんて、素っ気ない返事しかできなかった。
その後ろで笑ってるのかと考えると重玄に腹が立つ。
悪いヤツではないんだけど。……けど。

「ま、またじーっくり話聞かせてくれや」

友達から恋敵に変わるだけでなんでこんなにも腹が立つもんなのか。
恋人と重玄の一日を想像してしまった。考えを塗りつぶそうと目を細めるも、さっきと違って出てきた声は嫉妬心丸出しで。

『う、うん……また、城生の家も楽しみにしてるね!』

短い返事を返して電源ボタンを押した。溜め息が出た。
絶対俺の方が先だったのに。重玄も要も俺も悪くはないんだ。二度目の溜め息は長い。
(仕方ないよな、)
三度目の溜め息は出なかった。
<<>>

<<Retune?
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -