▼やくそく。 JK ポリスメンは、何も言わなかった。 手に持った命は、オレンジ色に落ち着いて、体から離れた衝撃と生暖かい風で、ゆっくり、でも一瞬で、黒くなって地面に落ちた。 「向こうでやってた人たちじゃないっすかね、」 ペットボトルにその残骸を捨てながら、顔だけで向こうを見る。ベンチを挟んだ、その向こう。無残にも散らばった残骸を見て、ポリスメンはため息を吐いた。 「気をつけて」 その一言に、中身はない。 相槌を打つと、ポリスメンは早々に去って行った。 隣に置いてある束を手に取ろうとして、先客の指先に触れる。 「……冬、」 声に顔を上げると、思ったより近い位置に顔があった。 (冬?) 「冬、星、見に行こうか、」 そしたら、誰にも邪魔されない。唐突な言葉の裏にはきっと、そう言う意味合いが含まれている。 「警察も、星見てるだけじゃさすがに来ないでしょ」 俺の考えは当たった。長年一緒にいるんだから、当たり前は当たり前なんだけど。 「どこ行く、」 目の前で動いていた唇に、そっとフレンチキスを送った。この暑い夜にお似合いのキス。 返ってくる返事はまた予想通りで、もう一度繰り返す。 今年の冬を想像して、周りの気温が少し下がった気がした。 <<Retune? |