▼疑問 JK 小さく声が漏れて、抱きついてくるその背中に自然と腕を回した。何度も触った独特の汗ばみ方は今日も変わらない。 あれから何度も繰り返し聞いていた。ただ現実の要からの答えは聞けずにいる。 「どうなんだよ、」 柔らかな髪を一束すくって、緩いパーマにそって指先に絡ませながらそれに呟いた。相変わらず、答えを得ることができないけれど。 どんな解答が返ってきても納得なんてできやしないだろう。 実際聞くことができずにいる理由はそこかもしれない。 後頭部の形に沿って頭を撫でてから、薄い水色のタオルケットをかけ直した。要はしばらく夢から戻ってこない。 ジーンズの尻ポケットに入っている少しへしゃげたセブンスターを持ち出して、ガラス戸を動かす。今の季節にしてはひんやりとした風が気持ちいい。 味わい慣れた白いタバコに火を点した。 やんわりと曲がった部分までまだ時間はかかりそうだ。 「セックスに必要なのは"愛"だけじゃないよ、」 「相性だって大事。」 「でもそれだけだよ」 まるで娼婦みたいなことを言っていた。タバコをくわえた口から煙を吐き出しながら。灰を叩き落として、こう言った。 「城生のとは違う。」 重玄から話を聞いた翌日のことだった。 要に確かめると、そう開き直った。予想とは大幅に違ったけれど、思えば要らしい考えかもしれない。 (でも、) 「俺より重玄の方がいいのかよ、」 返事は、ない。 <<Retune? |