疑問 JK

小さく声が漏れて、抱きついてくるその背中に自然と腕を回した。何度も触った独特の汗ばみ方は今日も変わらない。
あれから何度も繰り返し聞いていた。ただ現実の要からの答えは聞けずにいる。

「どうなんだよ、」

柔らかな髪を一束すくって、緩いパーマにそって指先に絡ませながらそれに呟いた。相変わらず、答えを得ることができないけれど。
どんな解答が返ってきても納得なんてできやしないだろう。
実際聞くことができずにいる理由はそこかもしれない。

後頭部の形に沿って頭を撫でてから、薄い水色のタオルケットをかけ直した。要はしばらく夢から戻ってこない。
ジーンズの尻ポケットに入っている少しへしゃげたセブンスターを持ち出して、ガラス戸を動かす。今の季節にしてはひんやりとした風が気持ちいい。
味わい慣れた白いタバコに火を点した。
やんわりと曲がった部分までまだ時間はかかりそうだ。


「セックスに必要なのは"愛"だけじゃないよ、」

「相性だって大事。」

「でもそれだけだよ」


まるで娼婦みたいなことを言っていた。タバコをくわえた口から煙を吐き出しながら。灰を叩き落として、こう言った。

「城生のとは違う。」

重玄から話を聞いた翌日のことだった。
要に確かめると、そう開き直った。予想とは大幅に違ったけれど、思えば要らしい考えかもしれない。

(でも、)

「俺より重玄の方がいいのかよ、」

返事は、ない。
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