パロ

小学1年高杉と中学2年坂田



――――――――――


久々に母校に来た。
まぁ久々と言っても1年半振り程度だが、中学生にとっての1年半は長いので、久々と言っても間違いではない。
卒業した俺が何でわざわざ小学校なんかに来たかと言えば、弁当を届けにである。
今日は小学校の運動会らしく、そうなると当然のように給食はないのだが(そもそも日曜に給食センターは休みだしな)ここの校長でもある俺の養い親は、折角朝作っておいてやった弁当をものの見事に忘れてってくれたわけだ。そんで昼前に持って来てと泣き付く電話が入った為に仕方なく届けに来たってわけ。

しかし…
「懐かしいなー」

何か、高々1年半振りなだけなのに、毎日通っていた場所と言うのは特別なのか、ちょっと懐かしさまで感じる。
奥に見える校舎を眺めつつ、裏門からは校舎より手前に建っている体育館に寄り道。
多分居ねーと思うけど、体育館は弁当食うのにもってこいなので(日は遮られるし涼しいからな)一応覗いてみる。と、入口付近に一人で座り込んでる小学生発見。
この時間、普通なら親と一緒に弁当食ってるかそうでなくてもダチと遊んでそうなのに、珍しい。
しかも目ぇ閉じて……あれ?でも寝てねぇなコイツ。
寝た振りして構うんじゃねぇみたいな雰囲気出してっけど、起きてるよねこの子。
見た感じまだ1年か2年くらいの歳だろうに、気持ち良いまでに外界シャットアウトな子供が面白く、ついでだから案内して貰おうとその場に腰を下ろし相手をつつく。

「ねぇ、校長センセーどこ居るか知ってる?」

声を掛けつつ、相手が反応するまで頬っぺたをふにふにふにふに。っつーか、やらけぇ。気持ちー。
最初は無反応を決め込んでいた相手も、何度もふにふに突くうちにくっそ迷惑そうに目を開ける。
さらさら黒髪の隙間から深緑の目が覗けば心底迷惑そうに鋭い目を向けられた。が、すぐにパチパチと瞬けば、此方を凝視してきた。
多分、此方の髪色だとか眼の色だとかが珍しいのだろう。よくされる反応は慣れたものだ。

「校長センセ、知ってる?」

いちいち相手の反応に合わせる気もないので、ちょこんと首を傾げて再度聞いてみれば、徐に立ち上がられた。

「こっち。案内してやる」

そう言って差し出された手。
小学生に手を引かれて歩けというのか、このお子様は。
まじまじとその手を見ていれば、痺れを切らしたのか此方の手首を掴み引っ張ってきた。

「ぁ、ちょっ!!」
「うっせぇな。さっさとしろや」

引っ張られ、無理矢理立たされればそのままずんずんと歩き出すのに結局付いて行くことに。
なんだか強引な子だなぁと思いながら、そう言えばと声をかける。

「ねぇ、お昼ご飯いーの?」
「もう食った」
「はやっ!あれ?昼休憩入ったばっかだよね?もしかして昼飯の時間早まった?」
「いいや。ついさっき午前の部終わったからな。他のやつらはまだ食ってたろ?」

返る答えに思い返してみれば、その通りで。
体育館の中に居た他の親子連れも大半は弁当を広げていた覚えだ。

「だよな?良かった。俺時間間違ったかと思っちまったじゃん」「んだ?昼飯届けにきてんのか?」
「うん。弁当作ってやったのに忘れるからさー」
「…校長先生の息子?」

グラウンド方面に歩いていた足を止め、こちらを振り返ればまたマジマジと上から下まで観察される。

「うん。つっても、養父だけどな」
「ようふ?」
「そ。血は繋がってないけど、父親代わりってことな」
「ホントの親は?」
「さぁ?知らね」
「ふぅん」

一通り質問すれば、飽きたのか納得したのか。また手を引かれて歩き出す。
グラウンド外側の、校舎近くに立つ設営テントが見える場所まで引っ張られれば、そちらを指差し、

「あそこ。本部になってっから」
「ぁ、ホントだ」

本部、とデカデカ書かれたテントの下に並べられている机に探し人の姿。
目当ての人の場所まで連れてきてくれた子に、目線を合わせるように腰を下ろせばわしゃわしゃと頭を撫でる。
つか、サラサラだなホント。こんな撫で回しても乱れないってどうなの羨ましい。

「ありがとなぁ」

一通り撫で回し、笑顔でお礼。その手を離して立ち上がろうとしたときに、今まで大人しくしていた相手からイキナリ腕が伸ばされれば、そのまま襟元をわし掴まれた。

「ふぇっ?」

自分でも、随分間抜けな声が出たと思う。
掴まれた襟元は、そのまま力任せに引っ張られ。気付いたときには唇にふんにゃり柔らかい感触。
緩く触れ、直ぐに離れた唇はそのまま湿った感触が辿って……。

「っ!?……ぅ、ええぇぇぇっっ!??」
「でかくなったらテメーの事嫁に貰ってやるよ」
「……はぁぁぁっっ!?」

キスされたのだと頭が追い付いた時には、随分唐突な、強引な…ナニコレ?口説き文句?プロポーズ?
脳内容量目一杯で、頭パンク寸前にぐるぐるしてれば、気付いたときには持ってたケータイパクられて赤外線通信が終わってました。
なんつー早業っつーか、何勝手に人様のポケット漁ってくれてんのこの子!?

「俺が一目惚れなんつーもんしてやったんだ、そのナリ崩すんじゃねぇぞ」

悪びれた様子を1ミクロンも見せないまま用済みのケータイ返しつつ、告げられたのは何たる俺様発言。
まぁ、むしろ俺が磨きに行ってやっから良いんだけどよ…ケータイ受け取りながら何だか理解しがたい台詞も付け足されてたけれどもっ!

「じゃぁな、また後でな」

呆然としたまま手を振り走っていく後ろ姿を見送りつつ、また後でって、何ぞ?ケータイ握りしめたまま首を傾げるしか出来なかった。




「センセ、何かプロポーズ?された」

ついでにファーストキスも奪われました。

「婿の貰い手が出来ましたねぇ」

フラフラしながら弁当届けに行って、出来事告げたら暢気な返事が返されました。
ってゆーか、婿ってナンデスカ?


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こんな感じの夢見てたぎって勢いで書き上げましたっ!
続きませんっ!ww

小学校っつーか、年下攻め萌え。いや、高銀であればぶっちゃけ何でも禿げ萌える。




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