※来ヶ谷ルート、オペレーション・リトルラブラブハンターズ後





「いつつ……」
「もう……恭介はほんっと馬鹿だよね……」
「…………ロマンチストと言ってくれ」
「はいはい」

来ヶ谷さんのことが好きな理樹の為、想いを伝える手本を見せようとバスターズの女子メンバーを呼び出す男性陣だったが、全員見事玉砕。自分の仕掛けた罠にかかり怪我をした恭介の手当てをする為、私たち二人は保健室へとやって来ていた。
鍵は開いているのに何故か居ない先生の代わりに、ベッドに座る恭介の頬や手のひらの擦り傷を順番に消毒していく。一応私は保健委員だから、少しくらい備品を勝手に使っても構わないだろう。

…………しっかし、なんでこの人はああして馬鹿なことばかりやっちゃうかなあ……

先程の恭介たちのやり取りを思い出すと、自然と溜息が出てくる。

……想いを伝えるのに、わざわざ小細工する必要なんて無いと思う。現に恭介が私にそうしてくれた時は、なんというか……真っ直ぐに、想いを伝えてくれたと思う。……って、思い出したら恥ずかしくなってきた…………というか恭介、私と付き合ってるんだから、俺もやるだなんて言わなくて良かったのに……!

と、そこまで考えたところで、自分がどうしてこんなにももやもやとした気持ちを抱えているのか気付いてしまった。
――私、嫉妬してたんだ。
その答えに行き着いて思わず消毒をしていた手を止めると、瞬間、目があった恭介がふいに微笑んだ。その目が、全てを見透かしたような目をしていて。

「な、何っ」
「いや、なまえ、お前可愛いな」
「はぁっ!?」

恭介はそう言って私の手を取り、ずい、と近付いてくる。至近距離で見つめられ、心臓がばくばくと鼓動する。恥ずかしくて、でも目を逸らすこともできなくて、私はぎゅっ、と目を瞑った。
――そこに落ちてくる、優しい口付け。
暫くの間そうしていた後、ゆっくりと離れた恭介が、耳元で囁いた。

「俺には、お前だけだよ」

その言葉と共に、ゆっくりとベッドに押し倒される。
手に持っていたピンセットが、カラン、と音を立てて床に落ちた。



正しい想いの伝え方



「ちょ、恭介っ、先生帰ってくるかも……っ」
「今日はここには誰も来ない」
「……! 恭介もしかして最初から……」
「さあ? どうだろうな?」


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