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理想を追って溺れる夜に

ボーダーラインから飛び出した言葉は間違えて呪縛になる。

あなたが追い払った少年も、今ごろ木々のざわめきに耳を傾けているよ。

取り損ねて川岸から落としてしまった幾億のひかりたち、冷たい水流に揉まれ、月の小船を待っている。

理想に振り回され、自我がとぷりと沈む。追い求めていたものに追い越され飲み込まれ、ついにわたしはわたしではなくなった。

午後10時、いますぐ消えよと分量以上。

哲学者は閉口した。科学者は自らの手で証明することができるのに。

午後10時、星のあかりはヘッドライトに飲み込まれて行った。

砂漠に巻いた種より、砂漠に植えた芽のほうが不幸だと笑って。

邪悪な鵜飼いが空を見ているだけでは災厄は訪れぬ。

何もかもが骨壺に収まるわけではない、あなたの罪は大きすぎたのだ。

吐き出したい言葉を何処に捨てるべきかおしえてください。

作り上げたものは断片ですらないのだろう、きっとわずかな意味ひとつすら持たない。

あなたが作った惑星の航路を、ボールペンでなぞって示してください。

あなたがいくつの悲しみでつくられているかを涙以外の方法で確かめてください。

愛の居場所ではなく、愛がいかに空虚なものであるかを60文字以内で証明してください。

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