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傾斜世界のことばたち
言葉にすることが愚かなら、もう何も言わなくていい。
だけど誰しも言葉を欲している。
忘れないでいて。求めていたものは過程や定義ではなく、原理に基づいた現象ただひとつだけ。
未熟な感情はただ痛く、痛みの行く末をわたしは知らない。
魔法は消え去ったのだ。この胸に僅か2文字を残して。
そのシルエットは歪んだままで一向に構わない。
裏切られる痛みから逃れようと、ただ曖昧を定義付けようとする。
それは「盲信」でも「確信」でもなく胸を裂くような「期待」であってほしい。
寂寥に沈んでも、決して孤独を愛する必要はない。わたしはとうに自我など失ってしまったのだから。
聴こえただろうか? 心を撃ち抜く罵声のような銃声音。ひとを死にいたらしめる銃弾は、誰もが持ち得ている。
ようやく知ったこの感情は、うつせみのように風に攫われて。
愛されたいくせに傷つきたくないなんて、卑怯すぎるでしょう?
あなたに向けて発せられる言葉すら、ひねくれた自己防衛に過ぎなくて。
何ひとつ守れてやしないんだろう。ちいさな傷から染み込む愛がこんなにも痛い。
拒むから痛いのだ。いっそ満たされてしまえば、楽になれるのでしょう。