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細胞の遺言は生きてるということ

内側からノックしたがる言葉がある
沈黙を破る雫ひとつ
おっしゃるとおりの全て
反論のくちを持たない
自由を運ぶ鳥たちのまじない
名の知らぬうちに遠ざかってください

独白する口実が間引かれてゆく
浮力、すなわち抵抗に依存する
それを不可侵と呼んだ
唯一の糸はまるで流砂のように
行き交う二行のたびびと
しだいに司ることをやめてしまう

世界の終わりは意識の終わり
見上げれば海
おどる論文
屋根の上をごらん、彼女も大笑いしている
炎上する鏡面に面影を見る
あなたの忠実な犬は死んでしまった

本質はいつだって受動的に知るんだ
夢幻泡影
屋根裏の想い人
肥えているか餓えているか
天井から降りてきた宵闇
心臓が逃げ帰ってきた

きみだけが例外だと思ってはいけない
呼吸、距離、それは意識してはいけない毒薬
意識の鍔ぜり合い
細胞の遺言は生きてるということ
みんな神様の愛すべき見做し子
たしなむ程度に死を悟る

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