甘ったるい寝癖(赤也仁王)

午前6時。アラームが鳴り響いて眠りから抜け切らない体を持ち上げる。となりで眠る綺麗な銀色の髪をした低血圧な人を起こす作業はなかなか大変だ。一回や二回で起きればまだいい方で、朝練遅刻ギリギリまで寝てる。でも今日は例外みたいだ。

「ん〜…あかや、はよ…」
「めずらし〜仁王先輩が時間通りに起きるなんて!」
「なんじゃそれそんなに信用ないんか」
「当たり前っす、いっつも起こしても起こしても起きないじゃん!」

「今日は卒業アルバムの写真撮影あるからな、髪の毛整えたいんじゃよ」
「ええ!そんなの朝練で崩れるでしょうよ!」
卒業という言葉を聞いてなんだか反論したくなったのはまた別のお話。

「とりあえずワックスつけときゃなんとかなるじゃろ」
「へえ〜誰に見せたいんですかねえ〜」
「うっさい天パ」
「はあ!?アンタだって地毛はふわふわで猫っ毛のくせに!!」
「それほめ言葉じゃなあ」
「あっ…」

仁王先輩は手ぐしで撫でつけてるけど、へんな方向に癖が付いちゃってる。それは何時間後かにはもう誰も見れない俺だけのもので。

04.29
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