食べられる頬(赤也丸井)
ぱく。
食いついてみた。先輩の頬があまりに美味しそうだったから。いつも甘いもんばっか食ってるし、甘い味なんかするんじゃないかとか思ったりして。歯はたてないで唇で優しく食いついた。桃色の頬はただでさえ理性を奪うのに、さらに甘かったりしたらヤバイな。
先輩は何食わぬ顔で寝転がって雑誌みてる。なんだよ少しくらい気にしたっていいじゃんか。上から絡みつく俺をよそに平然としている。
少し舐めてみた。うーん…甘しょっぱい。
ああ、部活後だったなあとかそういやこの人ポテチも好きだったなあとか思いながら舌を動かしてると先輩が口を開いた。
「…赤也、いい加減うざい」
「かまってほしいんスよ!」
「俺は暇じゃないの〜」
「ええー!いいじゃないですかかまって!」
「うっさい耳元で叫ぶな」
さらに絡み付いてじゃれ合おうとしたけど無理矢理はがされた。俺がううと唸っても先輩は濡れた頬をゴシゴシとベッドの布団で拭ってた。それも汚そうに。いつもは美味しいって飲みほすくせに。イラッとくる。
先輩の美味しさは頬だけじゃないのは俺が知ってる。
うつ伏せの先輩を背中に手を伸ばす。服の中を撫で回すと先輩がビクッと反応したのが分かった。
「っ!?赤也!?なにす…っ」
「味見っすよ」
今にも零れ落ちそうな頬はいつでも食べられるけど、他のところも今が旬だから、
さあ、お手をあわせて。
いただきます。
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03.20