かーなーり前に呟いたトウヤ→トウコ→チェレン→ベル→トウryという悪夢の四角関係にちょっとしたお節介のつもりで首突っ込んだら矢印が全部自分に向いてしまって(;^ω^)!?ってなるトリップ夢主の話を会話文だけで書いたのをかーなーり放置してましたのでごみ箱に投げ入れてみるよ(ここまで一息)
簡単な夢主設定:トリップ夢主。大学生。とりあえず二十歳は越えてる。ゲーム進行度としてはチャンピオンリーグを制覇後、手持ちのポケモンをひたすら鍛え上げてた。ちなみにポケモンはBWしかやったことがない。何か軽い。
そんな感じのノリですが、どうぞー。





「あ、」
「…こんにちは」
「うん、こんにちは。えーと、男主人公…じゃなくて。そう、トウヤくんだ。どうしたの?何だか元気ないね」
「別に、何でもないです」
「こらこら。ただでさえ会話文しかないのにそんなに愛想のない返事されるとチェレンくんとキャラが被るからやめたげてよ」
「チェレンなんかと一緒にしないでください!」
「え、」
「……すみません…」
「あー…いや、図星か。…チェレンくんと何かあったんだ?」
「………」
「喧嘩、ってわけじゃないよね。さっき会ったチェレンくんはいつも通り、女主人公…じゃなくて、トウコちゃんと遊んでたし」
「…っそんなの、なまえさんには関係ないだろ!」
「いやまあそりゃ、カノコタウンに来てから一週間も経ってないわたしには関係ないだろうけど。…でもさあ、気になるじゃん。わたしの言葉でそんなに泣きそうな顔されちゃうと、特にね」
「………」
「ゲーム内ならまだしも、ここで黙られちゃうとお姉さん困っちゃうなー」
「………」
「無視ですか。うーん、話しにくいなら無理には聞かないけどさ。わたしも相談に乗れるほど人生経験ないし。…でも、わたしに頼るって選択肢があるのは忘れないでね。そりゃきみ達のパパやママやアララギ博士に比べたらまだまだ酸いも甘いも知らない小娘だけど、これでもきみ達よりは年上だよ。頼ってもらえるなら出来る限りは協力するから」
「………」
「…なーんちゃって。さてと、それじゃあわたしアララギ博士のおつかいでサンヨウシティに行って来るから。スワンナさん、おいでー」
「………」
「いやーいつ見ても綺麗ですねえ、スワンナさん。終わったら近くの水場に寄ってもらって構わないんで、サンヨウシティまで連れて行ってくださいな」
「…なまえさん」
「ん?」
「おれも、空…飛んでみたい」
「……スワンナさん、サンヨウシティの前にとりあえずカノコタウンの上空一周の旅でお願いしてもいいですか?」


「おれさー」
「うんー?」
「トウコのことがすきなんだ」
「双子の妹だもんねー」
「そうじゃなくて、ふつうに」
「………」
「女の子として、トウコがすきなんだ」
「ごめんスワンナさんもっと高く飛んでくれませんか少しでもカノコタウンから離れてください」
「うわっ!?」
「………ふう。ありがとうございます、スワンナさん。……あの、トウヤくん」
「なに?」
「いやもうすっかり敬語がなくなったのは今更だしとやかく言わないけど。言わないけど。…それって、あの…アレ?要は、そのー…トウコちゃんにムラムラしちゃうわけ?」
「ムラムラはしないけどドキドキはする」
「うんごめん、お姉さん心が汚れてたわ」
「でもさ、トウコはチェレンがすきなんだ」
「…おう」
「そんなチェレンはベルのことがすきで、」
「…おおう」
「ベルは…多分、おれのことがすきなんだと思う」
「………おうふ……」
「みんな一方通行だ」
「そ、そうっすね…見事な四角関係っすね…」
「だから、なまえさんが来てくれた時はちょっと期待した。なまえさんはそんなにおれ達と年離れてないし、強いトレーナーだからってチェレンも結構懐いてるし」
「幼なじみをまるでヨーテリーのように…」
「チェレンがそのままなまえさんをすきになってくれたらトウコも諦めるかなーと思ったけど、そうもいかなかった。チェレンはベルがすきなまま、トウコはチェレンがすきなまま。…おれもトウコがすきなまま」
「………何か、期待に添えなくてごめん…。でもチェレンくんは本当に先輩トレーナーとして慕ってくれてるだけだからさ…。会ってもバトルの話しかしないし…」
「うん、分かってる。…だから、おれの方もごめんなさい。勝手に期待して、勝手に拗ねたりして…」
「いやいや、それは別に構わないよ。と言うか、あー……その、本気でトウコちゃんのことすきなの?」
「…やっぱりおかしいよね、双子の妹相手に」
「おかしいって言うか…まあ、びっくりはしたかな。全年齢向けであるはずのこのゲームの中のカノコタウンと言う小さな町を舞台にいずれ英雄となるであろう十三歳の少年少女の間で繰り広げられている壮絶な四角関係には」
「なまえさん、早口過ぎて分からない」
「分からなくていいよ、むしろ分からないようにNばりの早口で言ったんだから。うーん…まあ、何と言うか。思春期だしねえ、きみ達は。思春期特有の、こう、何て言うか…そういう感情とかは、まあ…分からなくもない。特にこの世界ではそう簡単に町の外へ出られないし、こう言う小さな町の中だけがきみ達の世界なってしまうのも無理はないと思うよ。結果としてトウヤくんが双子の妹をすきになってしまったとしても、………おかしいとは思わない」
「…本当に?」
「あくまでもわたしはまだ一週間しかきみ達と一緒に過ごしていないしその四角関係には掠りもしていない人間だからそう思えるのかもしれないけど。あー…何て言うか、ごめん。言いたくないこと言わせたかな」
「ううん。…逆に、なまえさんみたいに全くおれ達の事情に無関係な人に聞いてほしかったんだと思う」
「……どうしても今の状況がつらいなら、またこうして空を飛んであげるよ。たまには逃げたっていいだろ。まだきみ達は…ポケモンだって連れていない、ふつうの十三歳の子供なんだから」
「………」
「スワンナさん、そろそろ降下してください。…トウヤくん、戻ろう」
「……うん」
「…スワンナさん、気のせいかいつもより降下が丁寧ですね。トウヤくんがいるからですか?あなたそんなにわたしのこと嫌いなんですか?」
「なまえさん」
「なーに、…っと。はい、とうちゃーく」
「ありがとな、スワンナ。…よっと、」
「仕事じゃなければいつでも空の散歩には連れ出してあげるよ。その時は声をかけてね」
「わかった。…あのさ、なまえさん」
「うん?」
「……その、ありがとう」
「いいえ、お気になさらず。それじゃあね!」


「あの双子のどっちかがイッシュの英雄になるんだもんなー…。変なところでつまづいてないで、ちゃんとNを止めてくれよ、少年。……あれっ、待ってスワンナさんサンヨウシティ過ぎましたよどこに行くつもり…水浴び?いやそれはおつかいを済ませてから…え?トウヤくんを乗せたから?もしかして好みじゃなかったんですかあの子も将来はきっとイケメンになりますって約束された勝利のイケメンに、…………スワンナさんはチェレンくん派でしたかー…」



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