ルーティとエステルとナマエ


「あれ、ナマエじゃないの。珍しいわね」
「こんにちは、ナマエ」
「あ、こんにちは。ルーティさんにエステルさん…不思議な組み合わせですね」
「やっぱりそう思うわよね…」
「そうです?」
「ええと、どうかしたんですか?邪魔だったらわたし、違う場所に行きますけど」
「大丈夫よ。そういうあんたこそ、こんなところでどうしたのよ」
「それは…絵本です?」
「はい、キールさんから貰いました」
「キールが…絵本?」
「元はメルディさんのものだそうです」
「ああ…なるほど、びっくりしたわ」
「キールさんからの宿題で、明日までにこの絵本を読めるようにしろって言われて…」
「…ふーん。それにしても、懐かしいわね」
「ルーティもです?わたしも小さい頃、この絵本を読みました!」
「ルミナシアでは定番のお伽話なんですね」
「孤児院にいた頃は子供達に読み聞かせてやったもんよ。ほら、貸してみなさい」
「え、ルーティさん?」
「読めるようになればいいんでしょ?読み聞かせてあげるから、覚えなさいよ」
「で、でも、キールさんに怒られちゃいます」
「ただ文字を追うよりも聞いて覚えた方がきっと捗りますよ、ナマエ」
「あれ、そう言われるとズルいことしてる感覚がなくなる不思議…」
「次に同じ宿題が出たらわたしにも読み聞かせをさせてくださいね!」
「エステルさん、そっちが本命じゃ…」
「あーもう、黙って聞きなさい!」
「は、はいっ」


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