暖かな光に柔らかく包まれ、漂う感覚。記憶にあるはずもない、お母さんの胎内に還ったかのような錯覚。そんな幸せな夢を、わたしは見ていた。
そんな夢に終わりを告げるように、小さな流星が降り落ちてきた。
流星はじゃれるようにわたしの頬に擦り寄る。その様子が可愛らしくて、わたしの周りを巡る流星に微笑んだ。途端に流星はぴたりと動きを止め、思わず首を傾げたわたしの目の前で繰り返し瞬くと、音を立てて弾けた。
驚くわたしに降り注ぐ星のように小さな光の粒。その粒は、髪から、指先から、爪先から、わたしの中に流れ込んで来る。
細胞が震え、心臓が早鐘を打つ。身体を引き裂くような痛みが、わたしを襲った。
心臓から、細胞ひとつずつを焼くような、強烈な痛み。わたしの中で何かが暴れている。痛くて、苦しくて、怖くて。

その痛みから逃れるように、夢から覚めた。


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テーマ「人外ファンタジー」
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