▽ (8400/夜激甘/お酒)
華音はふと目を覚ました。
部屋の中は窓から入った月の光で照らされていた。
部屋の時計は1時を指していた。
体を起こすと、腹に置かれていたポニータの烈火の頭がコロッとシーツに降りた。
隣で幸せそうに寝ている烈火を撫で、微笑む。
華音は何となく目が冴え、眠れなくなったので、ゆっくりベッドから降り、部屋を出た。
丁度喉が乾いていたので、気晴らしに飲み物求めてリビングに向かった。
そこからは深夜にも関わらず、光が漏れていた。
こんな時間に誰が…と思いながら、忍び足で入口まで近づき、こっそりと中を覗いた。
そこにいたのは彼女の相棒の夜だった。
いつの間にかに買ってきている、あからさまにアルコール濃度の高そうな洋酒を飲んでいた。
初めて彼が酒を飲んでいるところを見た。
こんな時間に起きることがあまりないので知らなかったが、彼はブラッキーな事もあって昼より夜が断然に調子がいいので、本当はいつもやっているのかもと華音は思った。
「(邪魔しちゃいけないだろうし、そっとしておこう。
財布を取ってから自動販売機に買いに行こう。ついでに散歩もしちゃおうかな)」
これからの予定を考えながら、まずは財布を取りに行こうと先程の部屋へと足を進めた。
「華音」静かに響いたその声に彼女の足が止まった。
「…よく分かるね」
「そりゃな」リビングに戻ると、夜と視線が合った。
その顔は酒のせいか、ほんのり赤い。
じっと見ていると片手来いと呼ばれた気がしたので、冷蔵庫からペットボトルの水を取って夜が座っていた隣に腰を降ろした。
「いい香りの酒だね」
「まあまあいいやつを買った」「ちょっと…私の金なんですけど」
「何割か稼いだのは俺だ」「まあ、その通りなんですけどね…」
夜はグラスに残っていた酒を一気に飲み干した。
「いい飲みっぷりで…もう一杯いる?
淹れるぐらいなら出来ると思うけど」
「いい。その代わり…
膝貸せ」ぽすんと華音の膝に夜の頭が置かれた。
いきなりのことに目をぱちくりとしている。
「え…何これ」
「別に膝借りただけだろ」「…まさか酔ってる?」
「さあな」反対側に向けられて見えない顔をこっそりのぞきこむと、その顔は先程より赤みが増していた。
華音は微笑んで夜の頭を撫でた。
「…寝る」「…うん、おやすみ」
幸せの口実(たまにはこんなのもいいんじゃない?)
神流様リクエストの夜激甘お酒ネタということで…
あれ何これ?というものに仕上がってしまいました…激甘ではない気がします…
夜がお酒が苦手というイメージが無かったので、酔っ払いのふりをさせていつも甘えられないので主人公に甘えてみました。
主人公も何となくその事に気付いてます。そういう関係っていいですよね…
このあとは主人公も寝ちゃって、次の日に仲間たちに見つかって夜と烈火が喧嘩になります^^
では神流様、リクエストありがとうございました。
120321