「うー、さむー…なんなのよもう2月なのにこの寒さ…あ、自動販売機…」



この冬の凍てつく寒さと冷たい雪に凍えながら進んいると、自動販売機を見つけた。
一度は通り過ぎたが、せっかくなので暖かいものでも買おうと立ち寄った。


 あったかいもの、あったかいものー…妥当にコーヒーかコンポタかな。うっわ悩むー…


自動販売機の前で思考錯誤してると、後ろから手が伸びてきて、"ピッ"とボタンを押した。
そして押されたであろうボタンの飲み物が音を立てて出て来た。


 ………。

えと…この身長の高さは…





「…え、何やっちゃってんの夜」



振り返るとやはり夜がいた。
華音の予想は外れていなかったようだ。


夜は華音の呼び掛けを無視し、しゃがんで自動販売機の取り出し口から缶の飲み物を出した。



「冷たいのだったらどうすんのさ…」

「大丈夫、熱いヤツだ」

「うわっ、と…」



夜は取り出した缶を華音に投げつけた。

受け止めた缶は確かに温かかった。
かじかんでいた手にほんわりと温かさが伝わる。
回してラベルを見る。



「"甘党セレクト☆あまぁ〜いミルクココア"…?」

「さっさと飲んで行くぞ」

「…了解でーす」



カイロ代わりにしているとそう言われたので缶を開け、一口飲む。

 普通のココアより大分甘めだ…感動!!
甘党な私にはピッタリさ!



「…そういえば何でコレ押したの…嫌がらせでも無いみたいだし」

「…自分で考えろ、馬鹿。行くぞ」

「え、ちょっ!飲み終わってないんだけど!!」



言い終わるとすぐ夜は進み出したので、慌ててココアを飲み干し夜を追い掛けた。



 うーん…ココアねぇ…
知ってる事と言えば、原料はカカオで…ホット・チョコレートとも呼ばれてるんだっけ…

てか今日は何かの日だった様な…?



「…って、ちょっと夜!本気で置いてかないでってばー!;」



 …ま、思い出せないんならそれ程重要な事でも無いよ…ね?





「…だから周りに鈍感とか馬鹿って言われんだよ。
…今日が何の日くらいか覚えとけ」




そう呟いた夜は、降り積もる雪を眺めて、白い溜息をついた。





Happy Valentine.
(彼が渡した秘密のプレゼント)
(思い人が気付くのはあともう少し…)




…やまなしおちなしいみなし←
何かごめんなさい;
ホワイトデーを書いたらどうにかなるんだろうけど…無理です←

夜に逆チョコイメージはあんまりない←
でもあげるなら相手が気付かないぐらいがいいかなぁと…
その前にバレンタイン忘れた華音は女の子失格←

 



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テーマ「人外ファンタジー」
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