おろしたてのシャツは襟元が堅くて、首筋に当たるたびに思わず顔をしかめてしまう。 スーツもスーツで肩が動かしにくい。 こればっかりは文句言ってもしょうがないけど、気になるものは仕方ない。 「椿、用意はいいか?」 「あ、うす。大丈夫っす」 こちらは白のシャツに薄いブルーのストライプが入ったスーツで合わせたザキさんが、こちらを見ずに声をかけてきた。 「集合は1時間後。いいな」 「はい」 時間差を置いて入場するため、先に入って行ったザキさんの背中を見送る。 深呼吸一つ。 時間だ。 歩くたびかすかに触れる冷たい感触に緊張とほんの少しの高揚感。 入口の左右に立つ警備員にパスを見せて屋敷に一歩踏み込んだ。 さあ。 ミッション、スタート っていう裏社会っぽいの読みたい…! 110326 |