冷たい雪が降る中、ポケットの中に突っ込んだキーケースにそっと指を這わせた。
たかが鍵ひとつ。
されど鍵ひとつ。
けれどもそれまで明確に自分と彼を繋いでいたものがひとつ消えたのだ。
傘もささず歩いているから、雪は容赦なく頭に肩にうっすらと白い絨毯を作っていく。
完全に糸が切れた訳じゃない。
それでも、自分にその糸は見えなかった。

もしもあの時。腕を掴んで引き留めていたら、行かないでと泣いて懇願したならば。
何かが変わっていたというのか?
答えは否だ。
結局はこうして、引き留めることも泣くことも自尊心を打ち砕いてまで縋ることも出来ずに繋がりを捨てていただろう。

ずっとずっと好きでした。
笑う顔も拗ねた顔も、少しだけ照れた顔も。
あなたの一挙手一投足に惹かれていました。
ずっとずっとこれからも。
好きです。



肩に積もった雪を払い、ポケットから手を出す。
やっと頬を伝った雫は見てみぬ振りをして。

「さよなら、達海さん」

あなたへの思いはここに置いていこう。
それでもこの雪のように積もるのであれば。
そのときは…。
















オチが行方不明。
深夜のテンションに任せると大火傷しますね^^
意味不明すぎる…!

110212






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