たまたまお得意様からいただいた、ある有名なピアニストのコンサートチケット。
音楽は苦手で詳しくはないが、せっかくもらったのだから、と休みを合わせ足を運んだ。

静かで荘厳な雰囲気にのまれながら、食い入るように俺はそのピアニストを見ていた。
真剣な目は伏せがちに、不機嫌そうに尖った口。
白と黒を滑るように叩く大きく節だった指。
全てから目を離せない。

経歴やらなんやら書かれた薄いパンフレットの表紙に載った名前は、

「達海、猛…」









ピアニストたっつみーとサラリーマンばっきー


101216





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