俺は、当時の学生としては珍しく携帯電話を持っていなかった。
実家が田舎というのもあったし親に学費やら寮費やら負担してもらってる身でプラス携帯代、なんて言えるはずもない。
とにかく何が言いたいのかというと、携帯がほしかったのだ。


「また夜メールするな」

「おー」

放課後、各々の家に帰ろうと別れるときそんな会話がそこかしこから聞こえてきた。
部活に向かう道中、自然と耳に入るそれらを意識的に無視しながら廊下を走り抜け、まだ誰もいない部室に飛び込んで鍵をかけた。
きつく目を閉じ、真っ暗な視界に薄ぼんやりと浮かぶのは白い携帯。
持てないのならば想像すればいい。
二つに折り畳まれた白く光を反射する携帯は、いまかいまかと着信するのを待っている。

少し、頭の中の携帯から意識を外した瞬間左端に埋め込まれた液晶が点滅し、ワンテンポ遅れて音楽を奏で始めた。

(あ、え、で、電話!?)

今まで一度もこの携帯がなったことはなかった。
あくまでも自分が考えたものであるから当然なのだが。

「も、もしもし…?」

「もしもし?」

おそるおそる試すように電話をとれば、どこか楽しげな男の声が鼓膜を叩いた。












もう無理\(^O^)/
この話好きだから全部やりたいけど覚えてないし限☆界


101212






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