私の予感は当たったようで、また真琴くんと普通にお話が出来るようになった。今思えばあのどぎまぎした期間は何だったんだろう。

「美代子ちゃん」
「ん?」

砂のお城を夢中で作っていた私は目線を彼に向けずに、耳だけ傾ける。岩の上に寝転がり、肘をついて尾ひれをぱたぱたさせている。

「最近避けていたお詫びに、ひとつ面白い話をしてあげる」

面白い話と聞いて、面白好きの私は砂のお城を放置して真琴くんを注目して見る。真琴くんがしてくれる話の数々は、確かに面白くて楽しい。人魚の世界のことは私にとってとても新鮮で素晴らしく魅力的なものだ。

「人魚はね、本当は人間に恋をしたらいけないんだよ」


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