休み時間、机に突っ伏して仮眠をとる真琴のほっぺをつっついた。
安眠を妨害して申し訳ないんだけど、真琴のほっぺをつつくのは私の昔からの習慣で今もやめられないのだ。

起こさないようなレベルでつんつんする。真琴のほっぺは昔からずっとぷにぷにでいつ触っても気持ちいい。
なぜ眠っている時に触るかというと、いたずらをしたいというのが一番の大きな理由である。あと、普段起きている時は触らせてとお願いしても断られるからというのもある。真琴の性格を考えるに、たぶん恥ずかしいのだと思われる。

「うはーきもちいい」

大の男なのになんでこんなにやわらかほっぺなのか。周りのクラスメートはまたやってるみたいな目で私を見ていた。

つんつんぷにぷに。繰り返し繰り返しそれをする。楽しすぎてウヒャァ〜みたいな変な声が出そう。つんつんぷにぷに。つんつんぷにぷに。
幸せを感じて触っていると、突然、ガシッと力強く腕を掴まれた。
げっと思って真琴を見ると、なんと起きていた。
目を合わすとにこっと笑って、全力で私の腕を握りしめた。

「いたいいたい!」
「寝てると思った?」

これはいつもの真琴じゃない。
少しお怒りの、真琴さんだ。

「さ、最初は本当に寝てたでしょ…!」
「美代子が触る前には起きたよ」

してやられた。狸寝入りだったとは。すやすや寝息も立ててるし、絶対眠っていると思った。真琴の逆襲だ。

「全くもう。だめだよ。あんまり男の頬をつつくのは」
「えー真琴ならいいでしょ?」
「俺でもだめ」
「なんで」
「勘違いしちゃうから」

真琴は私の腕から手をパッと離す。

「勘違いって、どういう意味?」
「教えない」
「なんとイジワルな」
「もう美代子は一生分からなくていいよ」

また真琴は笑う。肘をついて、大人っぽく。同学年とは思えない。
真琴は私に対しての態度が他の子より少しいじわるな気がする。
昔から。


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