何が何だか分からないまま、私は数年ストーカーさせてもらっていた憧れの王子様と、距離を縮めることができた。

綺麗な花や可愛いぬいぐるみ、かっこいい俳優を見るような気持ちで真琴くんを見てきたけど、いつの間にか真琴くんに特別な感情を抱いていたこと、自分では全然分からなかった。
でも、真琴くんに自身の気持ちを言われて凄く嬉しかったし、幸せでたまらなかったから、知らずのうちに真琴くんのことが好きだったんだと思う。

こんな変態な私を好きだと言ってくれた真琴くんには、未だにびっくりだけど。
真琴くんも大概変わり者ということかもしれない。だから、魅了されていたのか。

「ねぇ、田中さん」
「はい?」
「お願いがあるんだ」

真琴くんは、私がストーカーしていた時によくしがみついていたプールの金網に寄りかかり、美しく微笑む。いつ見ても、この方の笑顔にはどきどきさせられる。

「あのね、」

何だろう。真琴くんのお願いって本当に想像が付かない。


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テーマ「人外ファンタジー」
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