真っ白なふわふわした世界。
そこで私に手を差し出す、男の人がいた。私は一瞬考えてからだけどその手を取る。ごつごつしてるけど柔らかくて、大きな手だった。
私に手を取られ、彼は微笑む。

これが夢の世界だということをなんとなく把握していた。白いもやで良く見えないけど、この優しく笑う男の人は、あの人だ。

「真琴くん」

名前を呼ぶと、白いもやが溶けるように消えていった。
彼は笑う。それはもう嬉しそうに。にっこりと。
ぎゅっと握り返された手はとても暖かい。
夢の世界だというのに。


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