田中さんは、廊下を歩く俺の後ろをアヒルの子どものように健気についてきてくれている。
ちらりと後ろを見ると、困ったような顔をしたと思えばにっこにこ笑う複雑な表情を繰り返すから、この人って不思議で面白いと思う。

勇気を振り絞って彼女をまた呼び出し連れて行ってるけど、この後自分の気持ちをちゃんと言葉に出して言えるだろうか。
自分の性格的に考えるとかなり難易度が高い気もする。ゲームでいうならばベリーハードモード。
だけど田中さんが何かテンパって逃げちゃう前に、しっかりと言わなきゃならない。

頑張らないといけない。
俺が、しっかりしなきゃ。


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