今日は真琴くんの家にお邪魔した。
私は彼の幼馴染なので、真琴くんのお父さんお母さんは私のことを良く知ってくれている。
蓮くん蘭ちゃんとも、結構仲良しだと思う。真琴くん蓮くん蘭ちゃんがうちに遊びに来ることもあるから。
今日は真琴くんの部屋で、蓮くん蘭ちゃんも一緒に遊ぶことにした。
「いつもいつもごめんね、美代子。チビ達の面倒を見てもらっちゃって」
「そんな。私も楽しいからいいんだよ真琴くん」
黒ぶちメガネをかけた真琴くんが、申し訳なさそうに眉を下げる。普段の真琴くんもたまらないけど、黒ぶちメガネの真琴くんもすごく、いい。
「ねぇ美代子ちゃん」
蘭ちゃんに服の裾を引っ張られる。振り返ると、物凄くきらきらした目で私を見上げていた。
「美代子ちゃんは、いつもお兄ちゃんといるよね」
「あ、うん」
「なら、お兄ちゃんのお嫁さんになるの?」
「へぇっ!?」
変な裏声が出た。何も言うことが出来ず、そのまま硬直する。真琴くんも共に。
「お兄ちゃんと美代子ちゃんが結婚したら、僕らのお姉ちゃんになるのかー」
蓮くんが納得したように腕を組む。蘭ちゃんもそれに更に同調をしてきゃっきゃとはしゃいでいる。
「美代子ちゃんがお姉ちゃんになるなら嬉しいー」
おいおい何を言うのかね君たちはアハハとか言えたら良かったのだけど、言えない。声が出ない。
ふと真琴くんを見る。真っ赤な顔をした彼とバッチリ目が合った。
「美代子、ごめんな。迷惑かけて」
そんな言葉とは裏腹に、真琴くんはトマトのような色をしたほっぺに両手を当てて、とっても嬉しそうに笑っていた。
乙女だ。