title | ナノ
 

ぼくはきみの真白なうでをただかなしく見つめるのでした
あざやかな球体

ぼくの底には湖がある

夕刻、きみに泣く
あの夏がほおに張り付いている

触れた指から死んでいく
白んだ明日は求めていない
浴槽にて逃避行

つめたい月を連れていってね

泣かないでほしかっただけ

きみさえいればいいと言うあなたはきっと世界を捨てない